なぜ、動きを鍛える必要があるのか?筋膜と運動連鎖からひも解く

こんにちは!
スポーツアライアンスの朝比奈です。

1月19日に開催された筋膜・運動連鎖(キネティックチェーン)とトレーニングプログラムの構築の開催報告ブログです。

満員御礼のため当日、参加できなかった方のためにも内容を少しご紹介します。

講師はハワイ大学解剖実習に4回参加された、アスレティックトレーナーの森川さんです。
実際に人体を、その目で見てきた経験を生かしラクロス、サッカーを中心にスポーツ現場でトレーナー活動をされています。

運動連鎖とは?

運動連鎖とは、複数の分節が時間的・空間的に協応して合目的かつ合理的な動作を行うことかができること。身体運動に伴う複数分節の協応した動き全て。

と勉強会では説明をされていました。

つまり、椅子に座る、歩く、文字を書くという日常でおこなう身近な動きも運動連鎖ということです。

では、運動連鎖をもう少し詳しく解説していきます。

運動連鎖の種類

運動連鎖を考える上で、重要項目を押さえておきましょう。

open kinetic chain(開放性運動連鎖)と、closed kinetic chain(閉鎖性運動連鎖)という考え方です。それぞれOKC、CKCと呼ばれることもあります。

身体の末端部分が、地面と接している、固定されている状態かどうかで分けることができます。

OKCはopen なので末端が解放されている、接していない状態での運動です。運動例をあげると、レッグカールなどです。

CKCはその逆で、末端が地面と接しているプッシュアップやスクワットなどが当てはまります。

動作とは?

もう少し細かく動作について解説します。

動作とは筋・筋膜、関節、神経が3つすべてが強調して働くことによって機能的で効率の良い動きが生まれます。

3つの要素、どこかに支障があると良い動きができにくくなります。

今回は筋・筋膜にアプローチするエクササイズを学びました。

筋膜とは?

ここまで運動連鎖についてお話ししてきましたが、続いて筋膜についてです。

上の画像にあるように筋膜は浅筋膜、深筋膜に分かれます。では、そもそも筋膜とは何なのか?

セミナーで説明された文章を一部、引用しています。

3次元的かつ連続的に体内に広がっているコラーゲンを含んだ緩いもしくは密度の濃い繊維質の軟部結合組織。「膜組織は全ての臓器、筋肉、骨、神経線維と相互浸透しており、 この機能的な構造を持って、体の全ての機関が統合的に機能できる 環境を提供している」

2017 : Federative International Programmeon Anatomical Terminologies (FIPAT)

筋膜はウェットスーツのように全身を覆っていて、一部が固まってしまうと他の部位にも影響します。

皮膚の下には部位によって多少異なりますが、皮下脂肪、浅筋膜、皮下脂肪、深筋膜と続きます。筋肉は深筋膜の次にあります。

この組織構造を理解してストレッチや手技をするのではアプローチの仕方、力の入れ方も変わってくるはずです。

エクササイズを紹介!

勉強会ではアナトミートレインの考え方を参考にエクササイズを実践しました。すべてのエクササイズは紹介できませんが、一部抜粋してエクササイズの目的・方法・評価をお伝えします。

浅後線( SFL:Superficial Back line) へのアプローチ

アクティブストレッチ・ハムストリング
【目的】
ハムストリングスのアクティブストレッチ

【方法】
1:肩関節外転90°の姿勢で仰向けになる
2:地面を這うようにして、反対側の手に向かって 股関節を内旋・内転・屈曲する
※動かしている足を見ながらおこなう 。左右交互におこなう。

【評価】
・肩関節・肩甲骨が過剰に浮いていないか否か
・軸脚が移動していないか否か
・振り足の膝関節屈曲の有無

ラセン線( SL:Spiral line) へのアプローチ

クランチ・ツイスト
【目的】
腹斜筋群、インナーユニットの活性化

【方法】
1:膝関節90°屈曲位で膝にボールを挟む
2:膝の外側を触るように片手を伸ばし 体幹部を回旋、屈曲させる
3:伸ばしていない腕側の肩甲骨を内転し 胸椎を回旋させる

【評価】
・頚部の過屈曲の有無
・体幹部の横シフトの有無
・腹直筋の過剰収縮の有無

機能線(FL:Functional line) へのアプローチ

コブラ

【目的】
菱形筋、僧帽筋下部のトレーニング

【方法】
1:うつ伏せになり、手掌を下に向ける
2:肩関節外転45°の位置に手を置く
3:肩甲骨を内転し、内転を保ったまま下制する
4:開始位置に戻る

【評価】
・肩甲骨拳上の有無
・腰椎伸展の有無
・頸椎伸展の有無
・殿筋が活性化されているか否か

まとめ

筋膜、運動連鎖どちらも単語としては聞いたことがあったのではないでしょうか?

『知っている=できること』ではありません。できるようになって、使えるようになって初めてその知識が活きてきます。

頭で理解して終わりではなく、実際に運動指導をしてみる。どう活かすかが大切です。また、筋膜・運動連鎖のことがしっかりと理解できれば、トレーニング・ストレッチの質も向上することでしょう。

是非、実践してみてください。

今回の勉強会の内容を若手・学生トレーナーのためのオンライン学習システム、トレーナーズアカデミーにて、動画で勉強会当日の内容を配信中です。ブログだけでは分からないこともあるかと思いますので、動画もご覧ください。

動画の続きはこちらから

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA